始めて間もなくの頃

娘がどんぐりを始めたのは年明けから。

年末に体験をしていた。

習い事をやめ、宿題マシーンが稼働する事に。

習い事は、スイミング、英会話、ダンス。

英会話を除いては、本人もそれなりに優越感を抱けるものではあったが、ここが潮時と一気にやめた。

 

その月の中旬に、学校のマラソン大会があった。特別速くはないが、娘の走りは学校では上位で、自信を持って走れるはずだった。

しかし、突然保健室の先生が走ってきて、「娘さんが気持ち悪いから走らないって言ってるの。」と。

ついさっきまで元気だったのに。

 

プレッシャー?

 

娘は気持ち悪いと泣いていた。

「ゆっくりでいいよ。走っておいで。ね。」

私はどうするのが正解かわからなかったけど、そう言った。

 

それが良かったのかわからない。

スタートの時は下を向いていた。スタートは、ゆっくり。でも、走り出すと大きなストライドで校庭を出て行った。

去年までは1番で帰ってきたけど、今年は違う子が1番。何人かゴールしたら、娘が帰ってきた。走りはしっかりしている。それに、晴れやかな顔。

 

  娘は、走るのが、大変だけど好きだと言う。地面からの反力を感じているらしいのだ。

「地面からポーンと押される」と。

私も子どもの頃、足はどちらかというと速い方だった。しかし、そんな感覚を味わった事がない。

 

「今年は、〇〇ちゃんと走った。」〇〇ちゃんを応援しながら走ったというのだ。

「楽しかったでしょ?今まで前しかみてなかったもんね。校庭を出る頃には、しっかり走ってたから、もっと速く帰ってきたらどうしようかと思ったよ。」

 

  なんとなく、急に環境設定の舵を切ったからかな?と思った。

でも、悪くない体験だったと思う。

これからは、走らされるのではなく、自分で進んで行って欲しい。